2016年6月29日水曜日

旅の準備

 まずはコース選び。サンティアゴ巡礼路の一般的なコースはピレネー山脈のフランス側の街Saint Jean Pied de Portから国境を越えてイベリア半島の北部を縦断する約800kmのコース。しかし、この距離を歩くには二ヶ月はかかる。実はサンティアゴ・デ・コンポステーラで巡礼証明書は100km以上を歩けばもらう事ができる。日本からスペインへは直行便が無いので往復で4日間は取られてしまうことを考えると、約115km手前のサリア(Sarria)という街を起点として5日間をかけてサンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩く巡礼者が多いらしく、自分もここから歩くことを決めた。
 とは言え、標高300700mの丘陵地帯を1日平均20km超を毎日歩く経験はそうそうある訳もなく。4月から平坦な道を20km程度歩く練習を始めた。そして5月、歩く事が楽しくなってくると、東海道(国道1号線)を横浜から箱根湯本までを3回に分けて歩き切る事に挑戦した。次に相模の国の由緒ある神社である六社巡りに挑戦した。それでも飽き足らず、大山の阿夫利神社や大雄山の最乗寺へも足を延ばした。4月中旬からのジョギングとウォーキングの総距離は250kmを超えるようになっていた。

 今思えば、キリスト教の巡礼の旅を前に、日本人の精神の拠り所である禅や神道に触れる経験をしたのは、自分自身が日本人であることのアイデンティティを再確認したかったからかもしれない。そう考えると、こうした準備も今回の巡礼の旅の一つの過程のように思える。

      

0 件のコメント:

コメントを投稿